- 2009/03/15
- Category : ライドウ・マニクロ
ふと浮かんだ
なんとも切ない展開に。
そんな時に、凪たんがナンか投下してくれた…
別件依頼50をクリアした後に、その台詞はキツいです、凪たんっ orz
(続きから、突然始まって突然終わる系な妄想。ネタバレ要素含みます)
禍禍しい気配の詰まった黒い球体を前に、ライドウは横たわる初老の男を見下ろしていた。傍らで悲しみを堪え刺青を刺した拳を固くする男に複雑な思いを抱えながら。
と、槻賀多の長の屋敷を押し潰した黒い球体の様子を見ていた凪が、事切れた秋次郎を囲むライドウ等の元へと歩み寄ってきた。
つい最近、彼女は師と仰ぎ慕っていた存在を亡くしたばかりで、また今、数少ない知人を目の前で喪った。その心にかかる負荷は如何程だろうか。ライドウは静かな夜色の双眸を凪へと向けた。
「秋次郎殿は…」
凪は桜色の唇を開いて、今生を去る彼が残した言葉を問うてきた。その声は凛として、揺るぎない。
強いな、
ライドウよりも細い体、小さな手…しかし押し寄せた大きなうねりに飲まれる事なく、彼女はそこに立っている。
それに比べて……
ライドウは、外套の下で刀の柄に置いた手をキュッと握った。
ライドウが秋次郎の様子を伝えてやると、今度は凪が自身の見た状況を説明し始めた。ライドウは足元に広がる朱色の染みを見遣りながら、それを聞いていた。と、じわじわと広がるそれが、ライドウの靴先に迫ったその時、
「デビルサマナーが人を傷付けちゃいけねぇよ、って…」
秋次郎がそう告げたのだと、凪は長い睫毛に縁取られた瞼をわずか下ろして、地に伏した巫蠱師の長に視線を落とし、言った。
その言に、ライドウは頭から冷水を浴びせられたような気分を味わった。指先が体温を失う。
個人の感情で刃を振り下ろした訳ではなかった。
しかし、依頼を受けたのは誰あろう己で。
語り終えた凪が秋次郎を見詰める眼差しを、ライドウは学帽の鍔の奥から見遣った。
―――強いな、
ライドウは周囲に悟られぬよう、深く息を吸い込み、そして静かにゆっくりと吐き出した。
―――それに比べて…
外套の下の指先は、まだ冷たいままだった。
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続きません。
あの依頼を終えた後に凪たをのこの台詞は結構堪えました… orz
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