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雨龍堂annex

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4月馬鹿

エイプリルフールって事で(ナニが?

「続き」から、いきなり始まっていきなり終わる系。
パラレル・リーマンチカ・学生ダテ。



・いきなり始まっていきなり終わる系です。
・パラレル設定でチカダテです。
・意味?ないよ、そんなもん
・続きません!


*****


4/1 9:17
From:政宗
Sub:
==========
別れる


マナーモードに設定していた携帯がスーツの内ポケットで振動したのに、元親は煙草休憩を装って席を外した。通路を歩きながら確認すれば、未読メールが一件。慣れた手付きでディスプレイに表示してみれば、タイトルもないメール。しかも内容はというと、短く一言だけ。
「・・・何拗ねてやがんだ」
喫煙ルームの扉を開けて煙草を咥えると、元親は登録された電話帳からメールの送り主の番号を見付け、発信した。
数回コールした後、しばしの沈黙。
「よぉ、政宗」
呼び掛けるも、携帯の向こうから答えは無い。
それでも、着信拒否をしている訳でもなく発信者が分かっている電話に出るあたり、まだ可愛いものだ、と元親は携帯を肩で支えてライターに火をつけた。チリチリと煙草の先が紅く染まる。
深く紫煙を吸い込み、天井にむかって吐き出す。
「聞こえてんだろ?どういうつもりだよ、さっきのメール」
『・・・・・・そのままだ』
消え入りそうな程に小さな声が寄越される。
こりゃ相当ヘソ曲げてやがんな、と元親は口の端を持ち上げた。
「意味分かんねンだけど?」
『テメェの行動振り返ってみりゃ分かんだろ』
「あァん?」
元親が煙草を深く吸い込んで間を置くと、
『・・・・・・何度目だよっ』
唸るような苛立った声が返された。
「ンな事言ったってよぉ、仕方ねぇだろ。新入社員とのディスカッションに代役で呼ばれちまったんだからよォ」
『テメェから誘ってきたんだろうがよ、今日のランチ!』
まだ春休みの学生と社会人では時間の感覚が違う。それは互いに分かっていたし、その事で束縛するつもりはない。これまでも、元親が政宗をランチに誘っても都合が合わずに流れた事もあれば、政宗が元親に声をかけても残業だと断られた事もある。
しかし・・・
『これで何度目だよ、簡単に誘ってホイホイついてくると思えわれてンなら、』
「思っちゃいねぇよ」
寧ろ元親の方こそ簡単に扱われているように思うくらいなのに。確かにここ数回、元親が誘っていながら直前になってキャンセルという事が続いていた。それに立腹しているようだった。
『・・・・・・とにかく、アンタとは別れ「待てよ、政宗」
早々に決断しようとする政宗の言を遮って、元親が幾分か強い調子で名を呼んだ。
政宗が連絡手段を残していた時点で既に結論は出ている。後はどこで折り合いをつけてやるか、だ。
「今日のは、ホントに不測の事態だったんだ、勘弁してくれよ・・・先輩が出る予定だったのが急に今朝になって俺に回ってきちまったんだ」
『・・・・・・・・・』
「もうこれから直ぐディスカッションに参加すっから、連絡できねぇけどよ。2時には終わるから、ロビーで待っとけ」
『・・・・・・知るかよ』
「ランチは無理だが、ケーキくれぇ食わしてやるよ」
『俺は別れるっつってんだぜ?』
「あァ?今日はあれだろ、エイプリルフール、午前中の嘘は許されるってヤツ」
『・・・・・・』
「じゃあな、政宗。愛してんぜ」
『っ!それもエイプリルフールかよっ』
「はっは!馬っ鹿だなぁオマエ・・・・・・っと、タイムアップ。じゃぁ後でな」
携帯の向こうでは何かまだ反論しているようだったが、元親はプツリと通話終了のボタンを押した。
咥えていた煙草を最後に一際深く吸い込んで、元親は近くの灰皿にそれを放り込んだ。溜めてある水に火種が消された音が聞こえ、名残の煙が一筋立ち上った。
内ポケットに戻された携帯は、もう振動しない。
元親はスーツの上から軽く携帯を叩いた。
さて今日は幾つケーキを平らげるだろうか、と年下の生意気な、けれど憎めない青年の顔を思い浮かべて笑みを深くした。


*****

オチなし!!!!!

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